高濃度乳房(デンスブレスト)

高濃度乳房とは

乳房は乳汁の産生と分泌を担う乳腺組織と、それを支える脂肪組織で構成されています。乳腺組織と脂肪組織の量には個人差がありますが、若い世代では乳腺量が多く、加齢によって徐々に乳腺が退縮し脂肪組織の割合が増えていくという傾向があります。
高濃度乳房(デンスブレスト)は乳腺組織の量が多い状態で、アジアの女性に多いです。マンモグラフィで評価することができますので、検診を受けて結果に「高濃度乳房」と書かれていてご不安を感じた方もいらっしゃると思います。高濃度乳房自体は異常ではありませんが、乳がん検診で行うマンモグラフィでは多量の正常乳腺にしこりが隠されて、病気を発見しにくいという特徴があります。

高濃度乳房と乳がんリスク

高濃度乳房は病気ではなく体質みたいなものですが、乳がんのリスクが少しだけ高いことがわかっています。

高濃度乳房の病変検出率を上げるために

高濃度乳房の場合、マンモグラフィだけだと病気を発見しにくいので、超音波検査を併せて行うことで、より精度の高い診断ができるといわれています。超音波は検査の性質上正常乳腺としこりを識別しやすいため、乳腺量が多くても病気を発見しづらいことがないのです。
では超音波だけでマンモグラフィはやらなくてもよいのかというとそうではなく、乳がんの早期発見につながる石灰化や引きつれなどは超音波よりもマンモグラフィの方が見えやすいので、マンモグラフィを省略することはお勧めできません。

高濃度乳房の指摘を受けたら

高濃度乳房は指摘されたとしても過度な心配は不要です。乳がん検診を受ける際に専門医としっかり相談し、超音波検査も併せて行うかどうかを判断し、ご自分のリスクに合わせた検診を受けましょう。高濃度乳房といわれ、疑問や不安がある方はお気軽にご相談ください。

keyboard_arrow_up