よくある質問

胸が痛いです。乳がんでしょうか?

胸の痛みの原因と対策

乳房を構成する細胞は女性ホルモンの影響で変化します。その際に血の巡りが良くなったり、浮腫んだりすることで痛みが生じやすいです。一般的に生理前は胸が「張る感じ」など、症状が出やすい時期です。ホルモン分泌は環境に影響を受けやすいので、それ以外の時期に症状が出ることも少なくないです。ピル(経口避妊薬)や更年期症候群で使われるホルモン補充療法でも痛みが生じることがあります。 胸が痛い時には市販の痛み止めや解熱剤が効く場合があります。ピル服用中やホルモン補充を行っているのであればそれらを休薬することもご検討ください。 乳癌が原因で痛みが生じることもあります。専門の医療機関に受診して相談しましょう。

胸に痛みを感じたときに考えられる病気には以下のものがあります。頻度が多い順に記載しています。

乳腺症

女性ホルモンが乳腺の細胞を変化させる際に症状を強く感じる方がいます。胸が痛む原因で最も多いです。体質のようなものなので過度な心配は不要ですが、日常生活に支障をきたすようであれば治療も検討します。一般的な痛み止めやピルが治療薬となります。

乳腺炎

乳頭にある乳管の出口から細菌などが侵入する場合や、授乳中に乳汁の通りが悪くなって炎症を起こす場合など、乳房の局所が赤く、熱をもち、痛みをともなうようになります。治療は母乳マッサージや抗生剤の服用ですが、進行すると膿がたまる場合もあり、その時は切開が必要になります。放おっておくと細菌が全身にひろがり敗血症を起こし、生命を脅かすこともありますので早めに専門の医療機関を受診しましょう。

嚢胞

乳汁(ミルク)の通り道である乳管に分泌物などが貯留し袋状に拡張したものです。炎症を伴うと痛むこともあります。針を刺して中身を除去することで張りや痛みが改善します。

線維腺腫、葉状腫瘍

乳房に発生する良性の腫瘍で、20-40代に多いです。女性ホルモンに影響を受けやすく、痛みを伴うこともあります。痛み止めやピルが痛みを和らげてくれます。一般的には超音波で診断がつきますが、なかには癌と見分けがつかないこともあり、その場合には針を刺す組織検査を検討します。急速に大きくなる場合には手術が必要になることもあります。

乳癌

40-60代に多いです。一般的には痛みを伴いませんが、痛みや違和感だけで発見されることもありますので注意が必要です。

胸に硬いしこり/できものを触れます。乳がんでしょうか?

胸のしこりの原因と対策

乳房は女性ホルモンの影響で周期的に硬くなります。特に生理前は顕著です。そのため乳房が硬いもしくはしこりを感じたとしても多くの場合深刻ではありません。特に左右同じ程度に症状を感じる場合は乳房の生理現象である可能性が高いので、生理が始まってしばらくしてから再度触れて確かめてみてください。 一方で実際に胸に腫瘍ができていることもあります。線維腺腫などの良性のしこりであることが多いです。良性の場合は比較的やわらかく、触れたときにころころ動きやすいことが特徴です。 もちろん乳癌の可能性もあります。その場合は石のように硬い、指で触れても動きづらいなどの特徴があります。実際はご自身で癌かどうか判断することは難しいので、放置せず専門の医療機関に相談することが大切です。

胸にしこりを感じたときに考えられる病気には以下のものがあります。頻度が多い順に記載しています。

乳腺症

女性ホルモンの影響で乳房の水分量が増えることで、しこりのように感じることがあります。その場合両方の胸にしこりを感じることが多く、痛みや張りを伴うこともあります。生理が始まると女性ホルモンが減少し、しこり感が改善することもあります。

嚢胞

乳汁の通り道である乳管に分泌物などが貯留し袋状に拡張したものです。中身が液体のためしこりは柔らかいことが多いです。

線維腺腫、葉状腫瘍

乳房に発生する良性の腫瘍で、20-30代に多くみられます。しこりは比較的柔らかく、触ると動くことが多いです。一般的には超音波で診断がつきますが、なかには癌と見分けがつかないこともあり、その場合には針を刺す組織検査を検討します。急速に大きくなる場合には手術が必要になることもあります。

乳癌

40歳以降に多いです。しこりは石のように硬く、まわりにくっついて動きづらい感覚です。

乳首が痛くてかゆいです。ただれることもあります。乳がんでしょうか?

乳頭のかゆみ/痛みの原因と対策

乳輪乳頭は乳腺組織そのもののであるため女性ホルモンの影響を強く受けやすいです。生理前は特にその傾向が強く、乳輪や乳頭が腫れる/痛む/ただれる/分泌がある/かさぶたができるなどの症状を起こします。保湿をしたり下着でこすれないようガーゼで保護したりします。ただれに細菌感染すると膿が出て、発熱することもあります。

乳首乳輪にかゆみや痛み、ただれを感じたときに考えられる病気には以下のものがあります。頻度が多い順に記載しています。

乳腺症

女性ホルモンの影響で乳腺組織の血流が増えることで、乳輪乳頭に炎症を起こしやすくなります。かゆみや痛みからはじまり、程度が強くなるとただれはじめます。両方の事が多いですが、片側だけのこともあります。

皮膚の病気

皮膚病が乳房に発生することがあります。多いものでアトピー性皮膚炎の急性増悪、粉瘤(おでき)の感染、帯状疱疹、脂漏性湿疹などがあります。まずは乳腺科を受診し乳癌でないことが確認できたら皮膚科で相談しましょう。

乳癌

まれに乳輪乳頭の湿疹のみでみつかる乳癌があります。パジェット病といい比較的まれな状態です。乳房のしこりを伴うこともあります。なかなか治らないようであれば乳腺科を受診しましょう。

乳首から分泌物があります。乳がんでしょうか?

乳頭の分泌物の原因と対策

乳頭からの分泌は妊娠後の授乳期以外に感じることは通常ありません。分泌物がある原因は大きく分けてふたつあり、乳輪乳頭がただれるなどの理由で皮膚から分泌されている場合と、乳房で作られた乳汁が乳管を通って乳頭の開口部から出る場合です。前者は皮膚の治療で改善しますが、後者は乳汁が多く作られる原因を調べる必要があります。後者で血液のような分泌がある場合は乳癌が原因のこともありますので早めに乳腺科を受診しましょう。

乳頭の分泌物があるときに考えられる病気には以下のものがあります。頻度が多い順に記載しています。

乳腺症

女性ホルモンの影響で乳腺組織が通常よりも大きく変化する状態で、それに伴って乳頭から分泌物を認めることがあります。乳頭分泌の大部分の原因はこれによります。乳白色や黄色透明液であることがほとんどです。

ホルモン異常

まれに女性/男性ホルモンや甲状腺ホルモンなどの異常で乳頭分泌が起きるときがあります。脳腫瘍がその原因になることもあります。血液検査で評価します。

乳癌

乳癌のなかには乳頭からの血性分泌をきたすものがあります。しこりや痛みなどを伴わず乳頭から出血する症状だけでみつかる場合もあります。乳頭から出血するときは乳腺科を早めに受診しましょう。

男性ですが胸にしこりがあります。乳がんでしょうか?

男性の胸のしこりの原因と対策

男性にも乳腺組織はありますが、女性に比べると量が少ないため、普段はふくらみなどの存在を感じることはないと思います。しかし何らかの理由で胸がふくらんでみえたり、押して痛かったり、しこりを感じたり、衣服に擦れて乳頭が傷んだり違和感を感じたりすることがあります。片側だけに症状があるときもあれば両方感じることもあります。

男性の乳房に症状があるときに考えられる病気には以下のものがあります。頻度が多い順に記載しています。

女性化乳房

男性の体内にも女性ホルモンは存在しており、その影響で乳腺組織が通常よりも大きく変化することがあります。最も多いのは思春期の生理的な変化です。この時期は相対的に女性ホルモンが多くなり乳房が変化しやすいです。一方高齢者では男性ホルモンが減少することで乳房が腫れることがあります。また薬の副作用や乳腺以外の病気の一症状として現れることもあります。血液検査で調べます。

皮膚の病気

皮膚病が乳房近辺に発生することがあります。多いものでアトピー性皮膚炎の急性増悪、粉瘤(おでき)の感染、帯状疱疹、脂漏性湿疹などがあります。まずは乳腺科を受診し乳癌でないことが確認できたら皮膚科でご相談ください。

乳癌(リンク)

男性乳癌もまれですが存在します。とくにご家族に乳癌、卵巣癌、前立腺癌が多い方などは注意が必要です。乳腺科を受診し相談しましょう。

乳がん検診の結果で「経過観察」とあり不安です

「経過観察」は良性と思われる病変があるため、念のために定期的な検査が必要な状態です。良性の場合でも急に病変が大きくなることもあり、その場合には治療が必要になりますので、適切な時期に乳腺科で経過観察してもらいましょう。
なお、「要精密検査」とあった場合には、できるだけ早く医療機関にご相談ください。

乳がん検診の結果で石灰化とあり、「経過観察」と記載されていました。石灰化は乳がんで生じると聞いたことがあり、経過観察で大丈夫なのか不安です。

石灰化はカルシウムなどが沈着したもので、良性と悪性があります。良性の場合、乳汁や分泌物による石灰化であり、良性の線維腺腫や嚢胞などに伴って生じています。悪性の石灰化は乳がんのがん細胞が死滅して石灰化したものです。読影の際、石灰化の形状や分布によって良性・悪性を判断しています。石灰化があって経過観察の場合には、良性と判断されているということですので、特に心配はありません。
悪性の石灰化が疑われる場合には、「要精密検査」が指摘されます。判断がつかない場合にも同様です。

乳がん検診の結果で「嚢胞」とありますが、どんな状況なのかわからず困っています。

嚢胞は乳腺嚢胞であり、乳腺症に含まれます。乳房には乳汁をつくる乳腺と、乳汁を乳頭まで運ぶ乳管があります。嚢胞は、乳管にふくらみができて中に水がたまった袋状のできものです。サイズが1㎝を超えると触診でもわかる場合があります。嚢胞内部の水が増えると痛みを生じることがありますが、症状がなければ治療は必要ありません。

乳房に痛みはないので、乳がんの可能性は低いでしょうか?

乳がんは痛みを伴わないことも多いです。痛みがなくてもそのほかの症状があり、ご心配の際は乳腺科を受診しましょう。

乳がん検診では、マンモグラフィと超音波検査の両方を受けるべきですか?

マンモグラフィは40歳以上の女性を対象に行った場合、死亡率を低下させることがわかっているため、乳がん検診は基本的にマンモグラフィ単独で行われています。ただし、乳腺の密度が濃い高濃度乳房(デンスブレスト)の場合、しこりを発見しにくい傾向があり、その場合には超音波検査を追加して行うことで検査精度を高めることができます。
マンモグラフィだけで十分に精度の高い検査が可能ですが、超音波検査を併せてご希望の際は医療機関と相談しましょう。

乳がん検診はどのくらいの頻度で受ければ安心ですか?

2年に1度の頻度で受けることが推奨されています。乳がんの発症が増えはじめるのは30代からですので、その時期になったら自覚症状がなくてもリスクが高いと思われる方、ご心配な方は乳がん検診を受けましょう。

マンモグラフィはX線検査だと聞いて被ばくが心配です。毎年受けると危険ですか?

マンモグラフィによる乳がん検診で受ける被ばく量は、飛行機に搭乗した際の被ばく量と同程度とされています。毎年1回乳がん検診を受けても健康被害はありませんのでご安心ください。

費用はどのくらいかかりますか?

くわしくは「費用について」をご覧ください。

妊娠中や授乳中でも検査できますか?

可能です。X線被ばくのない超音波検査で診断を行います。妊娠の経過とともに乳腺組織が発達して通常の状態とは異なりますので正確な診断が難しいと言われています。しかし症状がある場合は妊娠、授乳の時期に関わらずお気軽にご相談ください。
妊娠、授乳はお母様方にとって非常に大変な時期であるため、検査がおろそかになり、病気の発見が遅れてしまうこともあります。妊娠がわかったら、症状の有無に関わらず時に検診を受けていただき異常がないことを確認していただくことをお勧めします。

小さい子供を連れて検査はできますか?

可能です。X線被ばくのない超音波検査であればお子様とご一緒に検査ができます。
建物入り口に階段がございますのでベビーカーでご来院で必要の際はご連絡いただければスタッフがお手伝いいたします。

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